Fundamental analytical skills

「TOEIC」のコーナーの読者の皆様からいろいろなメールをいただきます。多くは仕事でツールとして他言語の使用を要求され、そしてそのツールのdevelopmentに悩める方々です。それらの方々に私なりの意見を述べさせてもらうのもこのサイトの一つのfunctionとして考えています。

  • 先日、ある一通のメールをいただきました。テーマはもちろん英語についてです。ここでは私はその「英語」について云々するつもりはありません。では何を?とりあえず原文ほぼそのまま載せますのでお読みください(ご本人の掲載許可はいただいています)。
  • 以下が全文です。あえてフォーマットは修正しておりません

    ********
    こんにちは。

     最近、ひさしぶりに英語を身につけたいという後輩が
    現れ、松本道弘氏の書物などを薦めてみました。その関係で
    aaso様のホームページを発見いたしました。

     わたしも彼に、「この級の時はどうしたらいいのか?」とか、
    「何wpmぐらい読めないとまずいですか」とか「先輩は何段ですか」
    とか、「何wpmで読めますか?」などと聞かれているうちに、
    昔は疑問に思わなかった「松本式」に疑問がわいてきました。

     まず、私は自分がどの時点で、どのような英語力であったのかを
    sasoさんのようには思い出せませんので、いわゆるTOEIC900点
    以下の人の話は除かせてください。そこで初段か一級以上の話と
    させてください。

     就職用にはTOEICの点というのは必要なことが多いようですが、
    これで初段かどうかはわかりません。だいたいテストというのは
    なんでも、沢山うければ点が良くなるものです。900点の人も
    10回ぐらい受ければ950点ぐらいになるんではないでしょうか?
    (これを裏付ける数字はもちあわせていません。)また、
    試験に「内容」がなさすぎると思います。これでは段は計れません。


     ここで、問題になるのが初段をどうやって決めるかですが、
    私の経験でゆくと松本氏の初段と、ISS等の通訳本科1で
    上位か通訳本科2の下のほうぐらいではないかと思います。
    私の経験では、本科1の生徒はだいたいTOEIC 9xx点とか、
    TOEFL 6xx点とか、英検一級だとかその程度です。ここ
    から本科2にあがるのが20人クラスで、半年に2人ぐらい
    ですが、これを初段としたいと思います。初段でまずければ、
    英語に関しては、ひとり立ちしなさいということです。あるいは、
    大人になりなさいということです。

     ここまで、くると松本式2段、3段の解説が異常に思えてきます。
    日本人がその年齢や知性にあったものを聞いたり、読んだりするように、
    初段の人は、その年齢なり知性なりにあったものを読めるように、英語力
    をつけるべきではないでしょうか?

     松本2段とか松本3段とかは、タイムを読んだり、FEN(AFN)を聴いたり
    するらしですが、どういう知性なのでしょうか?知的興味の広がりがない
    のでは
    ないでしょうか?

     たとえば、朝起きて、全速力で文芸春秋や朝日新聞を読む、30、40

    親父は気持ちわるくないですか?しかもその同じ人が、パルプフィクショ
    ンの
    日本語吹き替え版をみて、サミュエルLジャクソンの台詞を口にだして繰り
    返して
    みるなど想像もできません。ましてや赤川次郎(スティーブンキングの日
    本語
    版でもいいですが)をまた、全速力で読むわけです。

     日本語で読むもの聴くものにも好みがあるように、英語でもそうするべ
    きでは
    ないでしょうか?そういう興味で、どんどん読んだり、聴いたりして
    「楽」しめれば(ぜんぜん苦労ではないです)2段以上だと思いますの
    で、
    これらの人を画一的にはかることはできません。ましてや特定の本や雑誌

    指定しないで、「何wpm」などは、まったく意味がないと思います。

     最近の私は、ラジオは www.whyy.org のラジオタイムズやFreshi Air、
    WBURの The Connectionが比較的気に入っていますし、映像ではCSPANの
    BookTV、とくにIn Depthが気に入っています。だいたいこの手の番組
    で聞き取れない、あるいは聞き取れても意味がわからない単語は、
    数えたことはないですが、数分にひとつぐらいだと思います。
    これをfenの News on the hour と比べても意味がないと思います。
    しかも、前述の番組はすべてcall-in showです。


     また、本ではRobert D Kaplanをこのところは呼んでいます。その関係で
    Sam HuntingtonのThe Clash of Civilizations"も読みました。
    大体ですが、読むスピードを比較してみましたが、電車に35分乗って
    読んでいて、前者は100から150wpmぐらい、後者は200~400wpmぐらいです。
    いかにwpm論に意味がないかがわかります。両方ともいわゆるインテリ
    あるいはカルチュラルエリートがよむものだとおもいますし、読者層も
    ほぼ同じだと思われます。

     「Timeを読む」は当時としては、英語に関する本ではなく、英語の本を
    よめ、
    ということで、それなりの意義があったとおもいますが、それがいつまで

    面白いようでは、なんのためにTIMEを読んだのか意味がないことになりま
    す。

     大人(初段)になったら、Atlantic Monthlyだの New Yorker(これも
    ちょっと
    普通すぎますけど)だの、もうちょっと、つっこんだ雑誌が読みたくなる
    はず
    です。

     いかがお考えでしょうか?
    (日本語初段)
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  • 以上が、メールの全文です。結構長い文章で失礼しました。
  • 私がこれに関して何をお話しするのかは次回に。賢明な読者の方はguess可能かもしれませんね。冒頭に言いましたように英語についてここでは云々しません。外資にとどまらずbusiness worldでのcareerとからめて思うところがありましたのでそのことについて触れてみたく思います。